猛毒で知られるふぐの卵巣を食べる!(2) ~石川県の郷土料理「ふぐの子糠漬け」の食べ方~

昨日のエントリーでは「ふぐの子糠漬け」の産地や製法などについてお伝えしましたが、本日はその食べ方についての御紹介です。

■ 昔ながらの塩っ辛さ
前回ご紹介のとおり(https://izakayaouentai.co.jp/blog/news/463/)、フグの卵巣を毒抜きするために「塩蔵で1年、糠で2年」も漬け込みますので、かなり塩っ辛いです。例えが適切かどうかは判りませんが、塩がたっぷりまぶされた「塩クジラ」みたいなイメージと言えばよいでしょうか。最近は減塩の食材が多い中、私のようなオジサンには

久しぶりにホンマに塩っ辛いものを食べたなぁ~

という懐かしさが感じられる味です。

■ 塩味はDNAが欲する美味しさ

最近では健康志向の流れで「塩分控えめ」が食材調理の主流になっていますが、塩分自体は人間にとって必要不可欠なものです。よく「やみつきになる味」と料理を評価することがありますが、これも食塩や油脂、砂糖など、どちらかと言えば健康志向の流れで敬遠されがちなものが主要素を構成していることが多いそうですね。甘さ控えめのスイーツや塩分控えめのスープなども聞こえはいいのですが、リピーターがつかない、という話もよくお聞きしますし。

塩 (1)もちろん、摂取量には気を付けないといけないのでしょうが、御来店頂いた1度の食事で「美味しい!」と言って頂かなくてはならない飲食店としては、塩分・油脂・糖分などといった「DNAが欲する味」は欠かせないのではないでしょうか?

 

■ だから少しずつ味わって食べるのです…。

ところでこのフグの子糠漬けのパンフレットを見ると、他の業者さんのカタログでもこんな感じで大きく切ったものが盛り付けされている写真を見かけますが、

※居酒屋応援隊®の画像も同じような感じです。

実際にはこんなにたくさんは食べられません!!

どうしても調理画像にする時にはボリュームがないと見栄えがしないので、こうなってしまうのでしょうが(実際、私もそうでした・・・)、こんなに何切れも食べるのは大変だと思います。同じような珍味のからすみや海鼠腸(このわた)だって、塩っ辛いですがそれをちょろっと酒のアテにするところが妙味ですよね。基本的にはあれと同じだと思います。

■ ホイルに包んで軽く炙ってください。
製造者さんにお聞きすると、このフグの子糠漬けはそのまま食べてもらっても大丈夫との事。ただ、できればキッチンホイルで包んで軽く炙ってから食べると、香ばしさも出て更に美味しくなるよ、とのことでした。これにレモン汁などをかけても最高ですよ。基本的には日本酒なんかのアテとしてチビリ、チビリと食べるのがいいかな~と個人的には思います。

■ お茶漬けのネタとしても。
あとはお茶漬けのネタとしても塩味が効いて美味しく頂けますね。ただ、あまりたくさん入れると辛くなり過ぎますので、その点はご注意を!

■ 水洗いについて
製造メーカーさんは「糠を除去する時は指で拭ってくださいね。決して水洗いとかしないように。」と仰るのですが、確かに塩分のきつい食材ですので、お店の他のメニューとの兼ね合いや雰囲気に合わせて少し水洗いするのもありなのかなぁ~とは思います。あんまり大きい声で言うとメーカーさんに注意されそうですが(笑)。

その他、美味しい食べ方があればまたご案内させて頂きます。もし皆様でも美味しい食べ方を発見されたら是非教えてくださいね。

この「フグの子ぬか漬け」についてのお話はまだまだ続きます。引き続き次の記事をご覧ください。

猛毒で知られるふぐの卵巣を食べる!(3) ~石川県の郷土料理「ふぐの子糠漬け」の論評~